ナカノムラ

ナカノムラの手記

#16 片方のどこかで細かいPANを振る

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音楽の作り方について書きます

このブログはテーマを設けず、私の偏見と好みに照らし合わせて記事を書いています。ブログトップの自己紹介にも書かれているとおり私は音楽が好きでテクノを作るのですが、さすがにもう10年以上やっていると色々なノウハウがあるわけで。それをちょくちょく出していこうかなと思っております。

音楽を作る行為に対して苦手意識を持つ人も多いのですが、ものすごーく簡単。でも、ちょっと良くしようとか、ちょっとノリを変えてみようとか考えると、急激に奥の深い世界になります。

その深淵は本当に恐怖。人生に与える影響がとんでもなく大きい。この影響力に触れてしまうと逃げ出したくなる人も数多です。しかし逃げ出さずに挑戦する人も沢山おり、10年以上続けている人たちはそのほとんどが挑戦者、かち深淵に潜む悪魔と戦えるだけの武器を既に持っている人でしょう。

今回は音楽の作り方の初記事としてはかなりニッチな内容ですが、パンの振り方について書きます。まぁ仕方ない、思いつきで書いているから。

 

パンを振る意味

音の左右のバランスをパンと呼び、音を左右に振り分けることをパンニング、パンを振る、パン振りなどと呼びます。音を左右に分けて鳴らしていること自体、普段音楽を真剣に聞かない人には「そうなの?」と思われます。音を右と左で分離して聞けるようになるのは、あくまでも作り手に回ったり本当に音楽が好きな人だけです。普通は左右の音の違いなんて気にしませんし、リスナーが気にならないようにプロはパンを振ります。

パンを振る効果は沢山有りすぎて一概にここで書けませんが、最も重要なのは隙間を空けること。右側だけで音を鳴らしたら、左側では何も鳴っていませんので、左側に違う音を簡単に置けます。しかし、左右いっぱいに音が鳴っていると、ちょっとしたコツが必要になりますが、殆どのアマチュアミュージシャンにはこの意識が欠けています。

 

おすすめのパンの振り方

とは言え最近は録音技術向上の成果で、ビートルズが活躍していたような時代に必須だったパンニングは今は必要ありません。当時は音の隙間を過剰に空けるため、左右で全く違う音を鳴らしていました。もし興味があれば聞いてみてください。

現代ではパンはもっと違う形で使われています。それは立体感の演出です。音の隙間を空けるよりも立体感の演出のために使います。常に左右が同じ音量で音が鳴っていたら、まるで平坦な道のように安定して聞こえますが、その代わりに意外性やエンターテイメント性は無くなります。やはりいきなりものすごいヘアピンカーブがあったり、いきなり45度傾斜の坂を登るような道のほうが、観衆には喜ばれます。

音楽も同じように意外性というものが大きなカギを握っています。パンニングでは意外性の中でも、立体的な音像づくりに役立ちます。

立体感を作る際におすすめなのが、片側だけでパンを振ることです。ヘンに聞こえるかもしれませんが、実際にやってみると「前に出てきてる!」って感覚が強くなります。

具体的には、まず左右で同じ音が鳴っている状態で構いません。その状態で、片方のチャンネルに細かいパンニングのLFO信号を送ります。これにより、片方のチャンネルだけ位相が変わり、立体的になるのです。

 

パンニングも音量と同じくらい大事

左右のバランスを変えるってことは、左右の音量が変わることに他なりません。ついつい分かりやすいボリュームを操作しがちですが、うまくいかないときは思い切ったパンニングをしてみましょう。解決する可能性はあります。

 

 

おわり