ナカノムラ

ナカノムラの手記

#26 ヤギの目はどうして怖いのか

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山の羊

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山の羊と書いて山羊(ヤギ)と書く。ヤギはウシ科ヤギ属に分類され、食肉、乳加工品、毛皮などにするため、昔から家畜として飼育されている。人の役に立っているありがたい存在だ。ちなみに、北海道で有名なジンギスカンは、山の羊ではなく羊である。

私はヤギが好きで、動物園や動物と触れ合えるような公園に行くと、すすんで近づく。飼育されたヤギはとても人懐っこく、餌を持っているだけで無二の信頼を寄せてくれる。つまりあまり頭が良くない。

犬の場合は「お手」をすると餌が貰えるといった、成果型報酬の仕組みを覚えさせられるが、ヤギは無理だ。しかしそのアホさが愛らしい。犬も大概アホだが、ヤギはもっとアホで、非常に本能的である。

それから世間ではヤギの目が怖いと言う人が居る。私はその目も含めて死ぬほど好きなのだが、人間の目や愛玩動物に比べると、やや生気を感じないというか、どこを見ているのかイマイチ分からない。

 

ヤギの目が怖いと言われる理由

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魚の目を可愛いと言う人がいない理由は、どこを見ているか分からない上に動きが無いからだ。気力のない様子を表すときに「死んだ魚の目をしている」と言うが、ヤギにはそのような慣用句が無い。

ヤギは別の理由で恐れられている。目をよく見ると、黒目が丸くない。眼球に黒い線が横向きに引かれているだけだ。我々人間の黒目は絶対に丸いし、それに見慣れているから余計に違和感を感じる。自分たちと違うから、ヤギがどう考えているのか全く予想できないのである。

ヤギの目は危険を察知しやすくするために、黒目が横になっている。視野を広くして外敵に気づくためだ。ヤギは草食なので、特定の獲物を狙う必要はない。可能な限り外敵からは逃れて距離を取る必要がある。ちなみにネコの目が縦長なのはその逆で、特定の獲物に狙いを定めるために特定の範囲に特化するようになっている。

さらに、ヤギの黒目は常に地面と並行にしかならない。地面に対して水平になるので、ヤギが頭を下げると、頭部に対して黒目が縦になる。常に外敵に気づけるようにするための、とても合理的な仕組みだ。

尚、ヤギは特定の条件下では黒目が丸くなる。それは夜だ。夜になると瞳孔が丸くなり、我々が想像する目になる。個人的にはそっちのほうが怖い。

 

ヤギと悪魔

ヤギは目が怖いだけではない。ヤギはしばしば悪魔と密接な関係になる。

最も有名なヤギ悪魔(?)はパフォメットだ。パフォメットはキリスト教に登場する悪魔で、ヤギの頭部を持つ。しかしこの姿に限定されているわけではなく、フランス人の神秘学思想家、エリファス・レヴィが考案したこの姿が最も有名なのでそうなった。

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だがこれが非常にしっくり来る。なんだろう、極めて違和感が無い。というか、カッコイイ・・・・。レヴィの書いたこの絵はオリジナルだが、これを元に今では様々なデフォルメがなされ、更に凶悪かつ畏怖を抱かせるイメージが量産されている。気になる人は見てみるといい。

バフォメット - Google 検索

 

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ヤギを嫌わないで欲しい

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嫌われるというと少し違うかもしれない。正確には怖がられているのだ。特に不衛生なイメージも無い。至って危害の少ない生き物だ。

犬が人間を噛んだり、動物園のライオンが急に野生の本能を思い出し人を食い殺したりすることはある。だがヤギにそういった事例は無い。

次動物園に行ったときには、ぜひ勇気を持って接してみて欲しい。

 

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おわり